8/22/2008

りんの独り言―つくること


それは片手間ではなく、作業ではなく、
つまり本当に没頭してつくっているとき、
不思議なことがよくある。

長い時間が過ぎたと思って、
慌てて時計を見るとわずか15分であったり、
気がついたら夜が更けていることもあるし、
買ってきた夕飯がそのままのことや、
トイレを我慢していたことに、後から気がつくこともある。

つくっていると、
ときどき自分が自分のものではないような感覚に陥る。
感覚だけが妙に研ぎ澄まされ、
それでいて不愉快ではなく
守られているような気持ちでもあり、
とてつもなく孤独のようでもある。

それは誰も止められない感覚。
自分がそれをいつやめていいのかもわからなりそうになり、
こわくなり、
引き返す。

この現実の世界に。

あんなに判断を誤らずつくれているのに、
帰ろうと思った瞬間、
鍵を忘れたり、
階段で転んで鉢を割ったり、
何を手にとっても取り落としてしまったり、
どうしてそういうことが起きるのだろうかと、
ときどき自分が少し心配になる。